【事例紹介】ユニリタの挑戦 [課題起点の新規事業開発 ~経験学習プログラム~]
- shun
- 7月26日
- 読了時間: 7分
更新日:7月28日
クライアント様:株式会社 ユニリタ
会社紹介:「ITを活用した社会と企業の課題解決」を目指し、「ユニーク」な発想でパッケージソフトウェア・クラウドサービスの開発、販売、運用、保守などを提供しています。企業理念である「利他」の精神で、お客様を第一にというマインドを大切にしつつ、採用や人財育成といった人的資本投資において新しい取り組みにも挑戦しています。

~「課題から始まる新規事業開発」— ユニリタが挑んだ新たなステージ~

Q. 今回、「課題起点の新規事業開発プログラム」を導入された背景には、どのような課題意識があったのでしょうか?
贄様:
新しい価値を生み出すことは、企業が顧客のニーズや社会の変化に対応し続けるために不可欠です。当社でも、競争優位の維持と持続的な成長のためには、既存の枠にとらわれず、新たな製品・サービスの創造が重要だと考えていました。
鈴木様:
以前から、社内には「ペンギンチャレンジ」という部署や役職、経験年数に関係なく、すべての社員が自分の新しいアイデアを事業として実現する制度があります。それ自体は非常に良い制度ですが実際に事業化するまでの道のり――たとえば、アイデアの実現可能性や市場性を検証し、ビジネスモデルと実行計画を整えたうえで、実際のサービスや製品として形するまでのプロセスをサポートする体制は整っていませんでした。
佐々木様:
そこで、まずは新規事業開発の力を身につけるための“土壌づくり”として、当社の理念である「利他」の精神を軸に、SDGsをはじめとする社会課題を出発点として構想を広げる研修プログラムを実施しました。社会貢献性の高い視点からアイデアを発想していく取り組みで、内容自体はとても充実しており、参加者から高い評価を得ることができました。
一方で、「もっと実践的で、ユニリタという組織に根ざした形での支援が必要だ」といった声も上がってきました。当社が掲げる「1年に1つ、新規事業を生み出す」というチャレンジ目標の達成には社員自身が自らの「想い」を出発点に行動しなければ、ならないと気づかされる取り組みとなりました。

コーポレート業務本部 人財戦略部 人財開発グループ
鈴木 愛様(左)、贄 孝一様(中央)、佐々木 さおり様(右)
Q.新たな支援が必要とお考えになられた中で、どのようなきっかけでグロースワークスをご指名いただいたのでしょうか?
佐々木様:
最初のきっかけは、当社の教育体制全体を見直すにあたって相談していた外部のコンサルティング会社からのご紹介でした。グロースワークスを紹介いただいた際に、「これはまさに私たちが求めていた形だ」と直感しました。

新規事業開発というテーマと本気で向き合うなかで、私たちは形式的な研修ではなく、現場で本当に動ける人財を育てたいという強い想いを持ちました。その想いに応えてくれる、いわゆる大手研修会社では出せない “味”のある実践的なプログラムであり、さまざまなフレームワークを活用してビジネスモデルを深く学べるという期待感があったからです。
贄様:
社員には、技術力や論理的思考だけでなく、顧客の悩みに共感する感性や、自ら問いを立てて道を切り拓く力を育んでほしいと考えています。そのためにも、正解のない課題と向き合いながら“自ら考え抜く”経験を提供したいと考え、このプログラムの導入を決めました。
Q. 実際プログラムを導入して、どのような気づきや効果を体感しましたか?
贄様:
“人が変わる瞬間”を何度も目の当たりにしました。2024年の10月から、約4カ月間にわたってプログラムを実施し、ユニリタグループから16名の社員が参加しました。年齢も部署も異なるメンバーだったため、最初はややぎこちない雰囲気がありましたが、グロースワークスの丁寧な設計のおかげで、参加者同士の信頼関係が自然に築かれ、みんなが「このメンバーと一緒に頑張ろう」と思える空気が生まれました。
佐々木様:
ビジネスモデルの考え方や、課題発見のフレームワーク、共感力を高めるトレーニングなど、実践に直結する学びが多く、普段の業務ではあまり触れないテーマも多かったので、参加者にとってはすごく刺激的だったと思います。
鈴木様:
特に、各チームが自分たちで関心のある社会課題を選び、リサーチを行い、当事者や支援者へのインタビューを重ねていく(D.I.Y=でろ、いけ、やれ)活動は参加者の内面に深く響いていたと感じます。机上の空論ではなく、実際の声に触れることで、自分たちが「何を解決したいのか」真に気づき、新規事業のリアリティが一気に高まりました。また、各チームに対するメンタリングも非常に効果的でした。チームごとに状況や課題が異なる中で、型にはまらず柔軟に寄り添ってもらえたことで、参加者たちは自分たちのペースで着実に前進できたと思います。


佐々木様:
また、レゴ®シリアスプレイのセッションも非常に印象的でした。直感でアイデアを
形にし、それを言葉にすることで、自分でも気づいていなかった想いや視点が見える化されます。これをビジネスのフレームワークと組み合ることで、単なるロジックだけでなく、心から生まれたアイデアがしっかりと育っていく感覚がありました。
贄様:
最終日にはDemoDayを開催し、各チームが社長や役員の前でビジネスアイデアをプレゼンしました。スタート時点では「本当にここまでたどり着けるのか」と不安を口にしていたメンバーも、本番では堂々と、自分の言葉で熱意をもって語っていて…本当に感動的な瞬間でした。このプログラムは、単に“新規事業のアイデアを出す場”ではなく、「社会課題に向き合い、自分と向き合い、変化していく体験」だったと思います。一人ひとりが自分の中の価値観を掘り起こし、それを他者と共有し、かたちにしていく。結果として、チームも個人も、確実に、“以前とは違う存在”へと成長していく姿が強く印象に残りました。
Q. 参加者からはどんな声がありましたでしょうか?
佐々木様:

「元気でやる気にさせるのがとても上手で印象的だった」「特に、新規事業には熱意が大切であることや、DIYの精神など、取り組む上で重要な姿勢を学べた」といった声のほか、「課題をどのように具体化し、整理していくかについて、テクニックだけではなくマインド面も含めて理解できて非常に有意義だった」「ビジネスモデルやゼロからアイデアを生み出す手法に触れ、今これまでの業務では得られなかった新たな視点と多くの気づきを得られた」といった、満足度の高い感想が数多く寄せられました。

Q. 今後ユニリタグループとしてはどのようにこの取り組みを活かしていきたいと考えていますか?
佐々木様:
最終的に目指しているのは、このプログラムのような“課題起点の経験学習”を、当社グループの人財育成における新たな「当たり前」にしていくことです。今回の取り組みを通じて強く感じたのは、「人はきっかけさえあれば変われる」ということ。そしてその変化は、誰かに無理に引き上げられるのではなく、本人の内側から湧き上がる意志や想いによって生まれるものだということです。だからこそ今後は、こうした「経験の設計」を、社内のさまざまな場面に広げていきたいと考えています。
鈴木様:
最初は正直、「新規事業なんて自分には関係ない」と感じていたメンバーも多くいました。けれども今では、「こういう形で事業を立ち上げてみたい」「この課題を自分の手で解決したい」と、自分ごととして語るようになっています。これは組織における大きなカルチャー変化の兆しだと感じています。この小さな“火”を絶やさず、さらに広げていくためにも、組織として次のステップに進んでいきたいと考えています。

■会社概要■
社名:株式会社ユニリタ
事業内容:企業向けデータ活用とシステム運用に関する製品・サービス開発と販売、周辺システム開発、コンサルテーション事業
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